青森大学演劇団「健康」第28回公演「人生が上々だ」振返り

 メンバーとの振返り(反省会)を行わないことに決める。

やる・やらないで揺れました。でも、やらないことに決めました。 (正確には、一部の方と限定的にやることにしました。)

 振返り(反省会)は絶対にやるべきものだと思います。でも、やりません。やらない理由は①プロデュース公演(寄集め)のため、振返り(反省会)する程の、目的の共有と、共通の未来がない。そのため、実のある振返り(反省会)にならないと判断。②振返り(反省会)ファシリテーターが不在。下手に行い、シコリを残すことを避けるため。


はじめに

 

 健康は2003年からの休部状態を経て、2009年4月から活動を再開しました。3年を目処に、種火を作るつもりで活動してきました。そして、みなさんの協力もあり、やっと次のステップへ進めると考えています。ほんとうにありがとうございました。 そして、これからの3年に注目していただければ、嬉しいです。

ありがとうございました。


ここからは失敗した事、次回の課題

  

■スケジュールの管理
 こんな話を聞いたことがある。
「世の中の多くのトップに共通している事がある。それは、何度も、組織を倒産させて、何度も起業してきていること。」
 ホントかどうかはわからないけど、ホントだとして話を進める。恐らく成功した時と失敗した時の違いはそんなにないんじゃないだろうか… アイディアも、バイタリティーも。成功と失敗の境目はなんなのか?
ここからは予想。組織は全部できて、やっと回り出す。いい商品を開発しても、その他がダメだと、いい商品も日の目をみない。販売力があっても、いい商品を開発できなければ始まらない。そうこうしているうちに人間関係が拗れてポシャル。タクトを振る者、ある程度の全体掌握が必要ということか… 浅く広く。

 これを健康に当てはめると、商品開発重視と、演劇振興の想い重視で進んでいる。 販売や、事務仕事を外注している。種火作り時期とはいえ、事務仕事、組織の根幹を全て任せるのはまずいと感じた。このままでは、今後自立できなくなる。今後、肝心なことを知らず時間を過ごすことになる。
 そこで、現時点でトップがもっとも大切と感じていることは「始まりから終わりまでのスケジュール製作」と「スケジュール管理」。ここを、常に掌握しておくことが大切と痛感。

 あとは運。運を引き寄せるためにも、出来ることはきっちり済ませておく。

 

■ガス抜き・問題解決
 組織は多かれ少なかれ、なんらかの火種を抱えていると思う。今回、怒った部分が何ヶ所かある。しかし、現実なかなかこの小さな町では怒れない。注意程度でも後味が相当悪い… こうなる前に手を打つ必要がある。

 

 今まであって、今回なかったもの。いくつかある。①稽古後の食事。色々ギリギリなこともあり、食事をしている余裕がなかった。社会人はそもそも稽古後の食事は難しい。家族があればなおさら… 食事に変わるなにか、気軽に話しする場を設ける必要があるのか。気軽に喋るメンバーがいる場合もあるが、いない場合もある。特に、公演のキーマンがイライラし出すと大変だ。色々な場所に、悪い影響が出る。想像している以上に損失が出ている。特に演劇に。
 今まであって、今回なかったもの2つ目は②問題を感じたら、すぐに「今こう感じたんだけど?どう?」と直接話しの場を作ること。 正直、今回ここに一番のダメージを負ったと思う。問題発生を対話で共有し、解決に向おうとする姿勢がなかった。 失望した。同じ日本語を使いますが、文化はそれぞれ全然違うんです。ストロングポイントも違う。極めたい部分も違う。だからこそ集まってる訳です。1公演に2人演出がいるはずないのと同じです。基本、能力が被ることはないんです。 忙しく、一踏ん張りができなかったこと、話し合いに持ち込めなかったことは今後の反省です。
 今まであって、今回なかったもの最後は ③法律の説明。法律というと、少し重いかもしれません。ルール。今公演のルール。この組織・座組みの掟。 毎公演、じつは揺れている。色々喋り後悔して、喋りを抑えて後悔して… ここ3年余りこの繰り返し。個人としてはどうでもいいと思っていても、色んな文化圏から人が集まっている以上、説明しておく必要がある。細かい事まで喋り、苦しい時もあるけど、話す必要があるんだと痛感。話さないのはリーダーの怠慢と反省。

 

■予算の決定。
 随分失敗しました。毎回悩む。スタート時に、全てお金が揃っているわけではないので。、お金に関わるメンバーもはっきり予算書が出ないので、モヤモヤしていると思う。
 予算を決めた時の勤務場所が、急遽移動となり、目算が狂い、決定した予算と、実際の予算に大きな違いが出てしまった。その為、予算配分がかなり歪になってしまった。特に人件費。今後は円ではなく、総予算の何パーセントでの提案を検討する。

 ここはこだわりの部分でもあり、学生劇団で人件費?という批判がある。確かにそうです。でも、日本の劇団は人件費問題を取り上げない。それが今日の演劇振興に影響を与えていると考えています。団員はお金だけじゃなく、多くの支払いをしている。生活もあるのに。若い内はいいですが、年を重ねたらどうするのか。技術の継承を行うにはお金が必要なんです。生活もある訳です。生活をどこかで支えてやる必要があるんです。睡眠・プライベート・仕事の他に、演劇を入れることはとても大変なことなのです。(24時間を3分割するのと4分割するのは随分な違いがあります。) 演劇を財産のレベルまで上げる必要があるんです。好きでやってるんだから文句言うなと言われます。続けるには、最低限お金が必要です。人件費問題をないがしろにしている組織の天井はしれていると考えています。なので意地でも、スズメの涙程でもお金を払いたいのです。なにより、理念だけで、後輩が一生ついてくるとは思えません。
ある女子プロゴルファーの方がいいました。「バスケとか一所懸命やってる人とか、よくわからない」「プロがないのに」「今それをやって、将来どうするですかね?」 反論はもちろんあります。しかし、その通りだとも思います。未来がない。バスケを演劇に変えてもいいと思います。一定の規模がないと絶滅するんです。自然界で繁殖できるレベルの個体数がないと絶滅するんです。演劇も。それに纏わる技術も。一度なくなれば取り戻せません。
 細々とでもいいので、生活の足しになるレベルの人件費の捻出に知恵を絞る必要がある。理念だけでは飯は食えません。

 学生達には、常にお金・人件費のことを頭に入れておいてほしいというおもいがあった。 

 

■演劇マニュアル
 健康ブログでも出ていますが、演劇公演進行マニュアルを作る。そのマニュアルにはめ込み、あとは管理するだけのものを作りたい。「始まりから終わりまでのスケジュール製作」「スケジュール管理」これらのフォーマットを作り、はめ込むだけ。大学生や高校生、初めての公演の人も使えるものにしたい。これができれば、外部委託を減らせる。失敗を見つけやすい。浮いた労働力を他の事に使える。マニュアルなんて無意味という玄人さん達が多いので、作る意味はあると考えています。

 

■仕事を割振りするため、人員を増やすと、仕事が増えるジレンマ

 人は増えたが、ここ3年で一番忙しい公演になってしまった… 3年間、中心メンバーも同じ。人も、舞台経験者も増えた。 なのに忙しかった。 これは、大学事務(同僚)にもう1人、自分と仕事を分ける存在が必要だ。他のメンバーには振れない仕事がある。 外部関係者が増えたり、係わる関係機関が増えれば、事務仕事が増える。 これは、現状解決し難い。同僚で1人手伝いが増える可能性は低い。 体制、公演スタイルを変える必要がある。

 

■その他 計算違いだったとこ

 ① 台本完成の遅れ。 当初はオリジナル台本を避けたいと考えていました。理由としては、台本完成が遅れると、数字では見えない損失が非常に大きいため。演劇振興に今、もっとも必要なのは名作の輩出ではないと考えているため。 しかし、予定していた既成台本がダメになり、台本決定の話合い数回続けることになる。台本決定に時間がかけれない状態だったことも悪い。以前、行ったオリジナル台本の公演 3-C での経験もあった。話し合い後、OKが出たあとの台本の仕上がりが早かった経験をもとに、話し合いの末、OKがでたため、イケると判断した。しかし、OKにも深度があるのだと痛感。今後、オリジナル台本をやる場合は「合宿」等で深度をチームで深め挑戦することにする。 台本完成の遅れは常習化している団体が多い。一般企業ではOUTだが、モノづくりはスケジュール通り進まない。常にリスクがある。もどかしい所だ。損失上、遅れの放置はできない。既成台本ばかりやりたい気分になるが、それでは未来が暗い。 そこで出たアイディアが台本合宿である。

 ②人選・人の組み合わせが、上手くいかなかったと思う。ここで7割勝負が決まると考えている。少し計算違いがあったと思う。自分の人選哲学を曲げ、公演開催を優先した結果だと思う。活動再開から約3年、締めの年・公演と考えていたので、公演開催は絶対。 問題が起きるのは覚悟していたが… 顔合わせ時に、もう少し説明を入れるべきと反省。

 ③稽古のトータル時間が少ない。a.台本の仕上がり b.新人中心の舞台構成 c.個人スケジュール管理の甘さ  これらが重なり、予定していた稽古時間より大幅に減った。ギリギリの時間配分だったのも悪い。aは①の通り。bは新人は稽古見通しがつかない事があり、バイト等に時間が割かれる事が多かった。c.全て含めて、ここです。 整理がついていない事が悪循環を招いた。 


まとめ

 

①全ての整理整頓

②スケジュール管理表マニュアル制作と 管理実行

③座組みのルール説明の徹底と 個々人との契約確認の徹底

 Ⅰ.スタートに細心の注意を払う

 Ⅱ.喧嘩はルールに従い、リングの上で行う

④中心メンバーの育成と発掘

⑤財源の確保と多様化を目指す 

 

次回、もしくは今から、これらの達成を目指す。


終わりに

 

 青森大学演劇団「健康」は青森大学生のものです。
 出身サークルである「健康」への想い。「演劇」に対する想いがある。悪いことではないが、時としてそれが、よくない方にいく時もある気がする。優先順位の一番は「青森大学演劇団「健康」は青森大学生のもの」。

 今回の振返りはあえて、良かった点を書かない。若干私的な振返りになったかもしれない。でも、第3者が見ても、利用できるものがあると思っている。今後はこのような振返りにならないと考えている。2013年4月からは新体制、新しい方針で活動が始まる。待ち望んだ新体制です。怒涛の3年間になると思います。また、3年後が楽しみです。 

 つづく限り、どきどきを創っていく。